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大分在住の元銀行員なぴです。趣味のキャンプとコーヒーを中心に色々なジャンルで読者の方に少しでも役立つ情報をお届けできれば幸いです。

【ネタばれ注意・考察】新海誠最新作「天気の子」はよくもわるくも新海ワールド全開!【前編】

新海誠監督の最新作「天気の子」いよいよ公開されましたね!

全世界を魅了した「君の名は」から早3年。大ヒットの次作ということもあって、多くの方の期待を背負った今作ですが、そのメッセージ性とはどういったものなのか、僕なりに感じたものをまとめたいと思います。あらすじを書くわけではありませんが、ネタバレも少し含んでしまうと思うので、まだ劇場で見ていない方はくれぐれもご注意くださいませ。。

ちょっと長くなったので前編後編に分けています。最後まで読んでいただければ幸いです。

 

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新海ワールド全開!よくぞこれだけ詰め込んだ!

まず、見終わったときの感想はこの一言です。僕は第1作目の「ほしのこえ」から新海監督のアニメーションを楽しんでいますが、今作はその集大成といった感覚。特に、エンディングのモヤモヤ感と、都会・水・光の表現。

 

前作の「君の名は」は良くも悪くも大衆向け、興行向け映画です。いわゆるハッピーエンドをきちんと描ききり、エンドロールで気持ちよく終わる、そんな映画でしたが、そもそも新海ワールドはそんなものじゃない、と感じた方は多かったはず。「君の名は」では各関係者方の舵取りが上手に作用して、あのエンディングが生まれていますが、他作品では新海色がより一層強いので、見ていただければわかると思いますが、エンディングは正直もやっとした終わり方です。よく言えばリアリストな、「とは言っても現実こんなもんよね」と言わせる少し寂しい気持ちになるものが多いです。

 

僕は決して否定的な意味ではなく、そうした色も新海ワールドであり、とても大好きな作風です。今作では「君の名は」よりもその色が少し強くなっていました。天気を取り戻すために生贄となったヒロインの陽奈を空の世界から救い出してハッピーエンド、ではなく、その代償によって変化した世界の中で生きていく、という世界の理や摂理からは逃れられないエンディングには新海イズムが込められており、これについては後述で考察したいと思います。

 

もちろんこれまでの作品同様、新海作品ならではの綺麗なグラフィックはさらに進化しています。特に、「東京(都会・人工物の象徴かな?)」「水(雨といった方がいいかもしれません)」「光」は過去の新海作品にも顔を出しますが今作ではこれらが中心の作品になっており、映像作品としても新海監督の色がふんだんに盛り込まれた作品と言えるはずです。

 

天気の子”Weathering With You”副題に込められた意味は

 英語のweatherは天気という名詞の他に、乗り越えるという動詞の意味を持ちます。つまり”Weathering With You”とは「あなたとともに(困難を)乗り越える」ということであり、エピローグの変わり果てた世界の中でも、主人公たち2人で一緒に乗り越えていく、2人でならなんとかなるというメッセージだと思います。

これは物語終盤の人々の様子からもわかることですが、東京が水底に沈んでも線路が沈めば船を渡し、人々はたくましく生きています。

帆高くんは自身の行いの結果の果てに困惑と後悔がいりまじるなか、須賀が帆高くんに「気にするな」といった言葉をかけます。それは単なる慰めや気遣いではなく、人は乗り越えられる、乗り越えているといった意味合いかもしれません。

 

主人公像が表すものは

今作の主人公2人は総じて貧乏です。パンフレットでも新海監督はその点に触れていましたが、現代の若者の象徴みたいなものでしょう。貧しさのため、やむなく夜の世界に飛び込もうとするところや、歌舞伎町・ホテル街等の描写が多いなど、今作では若者なりのあがきであったり、大人と子供の間の難しい年頃の表現が多く見られました。「君の名は」での主人公は都内在住でカフェでバイトする男子高校生、都会に憧れる由緒ある神社の家柄の女子高校生といったある意味主人公らしい属性がありました。今作ではより一般人に近い、つまりより現代の若者に近い設定、更に言えば、ここまで貧しくなった若年層の生き様を描かれているように感じます。

 

後半へ続きます。