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大分在住の元銀行員なぴです。趣味のキャンプとコーヒーを中心に色々なジャンルで読者の方に少しでも役立つ情報をお届けできれば幸いです。

【ネタばれ注意】新海誠最新作「天気の子」はよくもわるくも新海ワールド全開!【後編】

前記事からの続きです。前記事はこちらなので、読んでいただければ幸いです。

 

www.cest-la-vie.website

 

さて、今回は前回の続きから、エピローグについて、考察したいと思います。

 

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「君の名は」の登場人物が随所で現れるところは粋、だが・・・

これには感動しました。瀧くんのおばあちゃんがまたお話の中でいいセリフを言ってくれたり、「君の名は」関係者が主人公たちの背中を押すシーンはいくつもあり、つい微笑ましくなってしまいます。

瀧くんの年齢にはダイレクトに触れてはいないので、この登場シーンが「君の名は」のどのあたりに位置するのかはわかりません。もし時系列が僕たちの時間と同じなら、あの「君の名は」のエンディングから3年経過しているわけで、その後の2人のことにも触れて欲しいなあと思いつつ、新海監督が本作「天気の子」や「君の名は」は恋愛作品ではないとも言っているので、そこに触れないあたり、想像の余地を残してくれています。ただ、エンディングが一種の世界崩壊エンドだったので、あの世界の日本は隕石が落ちるは首都は水に沈むはで、瀧くんや三葉ちゃんに幸せになって欲しいと思っていた僕としては少し複雑なところもありますが。。。

  

エピローグに込められた新海監督のメッセージは

バッドエンドが大好きな新海監督が「君の名は」でああいうハッピーエンドを選んだことには当時見ていて驚きを隠せませんでしたが、今作ではやや抑え気味では?と思いつつも、監督の癖がでてきたと思った僕はついニヤリとしてしまいましたが、改めて今作のエンディングの整理をしたいと思います。

 

晴れ女になったヒロイン陽奈ちゃん(=天気の巫女=人間に都合のいい天気を取り戻すための生贄)は晴れをもたらすために自身の身を投げ出したが、主人公帆高くんによってその身を救われ、生贄を失った天気は再び崩壊。3年たってもその雨が止むことはなく、関東圏のほとんどは水に沈んでしまい(=江戸以前の状況に戻ったとも言える。後述します)、半壊した中でも人々はたくましく生きていく。

 

みたいなところでしょうか。

 

まず、リアリズムなバッドエンドを好む新海監督が今回もその性癖を爆発させたかと言うと結論は違う、と思います。

言うなれば、自然回帰的メッセージを込めたエンディングだと思います。

これは作品の中で神社の神主さんだったり瀧くんのお婆ちゃんが言っていることですが、「観測史上最大の異常気象はせいぜいここ数十年」「はるか昔では定期的のこの規模の雨は降っていた」「東京は昔は水の町だった」等のセリフ(うる覚えですみません)からあくまで今回のエンディングは一種のリセットになります。自然に反して我が物顔で開発を行い、それが壊されたことをこの世の終わりみたいに思うかもしれない。でもそれは今の人類目線であって、地球規模では些細なこと、昔から至極当然に繰り返されていたことで、そんなものはどんな形であれ、前を向いて乗り越えられる、なんとかなる、というメッセージだと思います。繰り返される、という点では「君の名は」の隕石もそうですね。千年以上も前に隕石が落ち、そしてまた現代でも同じことが起きる。自然界で繰り返されてきたことに人間は大きく抗おうとする、という構図で「君の名は」では過去と今を繋ぐことで人々を救うというエンディングで、今作は大きく事実が変わるのではなく、その中でも人間はなんだかんだ乗り越えることができるよ、ということなんだと思います。

 

 ただ、先に自然回帰と書いたように、進みすぎた開発だったり、若者があまりにも貧しかったり、全体的になんだか社会が、世界がおかしいな、と感じることが多くなっていて、それを一回壊しちゃおう、その中で自然と調和しながら人々は生きていけるというのが今作のメインメッセージなんだと思います。

 

全体を通しての感想

面白いか面白くなかったかでは、僕はとても面白かったと思います。

ツッコミどころは多い。度々出てくる拳銃の出所は特にエピソードに関わらないし、主人公が線路内を走り続けてもそれを呆けて見ている大人たちだったり、指輪がすり抜けてしまう状態になった陽奈をなぜ救い出すことができたのかは謎だし、そもそもあの空の生き物たちはなんぞ、といったツッコミどころや、説明されていない点はとても多い。でも面白かったです。

ある意味では丁寧に描写するところと省略するところをはっきりしていて潔いですし、映画なのだから、アニメなのだから勢いで終わらせてしまっていいとも思いますし、謎だからこそこうして考える余地があるのも魅力的なのだと思います。

 

そして僕はやっぱり新海作品の描く、世界の美しさが好きです。光の反射だったり、水面に映る風景だったり、人口物と自然の調和、と言っていいのかわかりませんが、そこにある現象の表現は新海ワールドの醍醐味だと思います。

 

それはもしかしたら今作に込められた”世界が少しづつおかしくなっている” と感じた新海監督の気持ちの現れなのかもしれません。映像として見える僕たちの住む世界はこんなにも美しいのに、僕たちの目線はいつも手元のスマートフォンに向けられ、最後に空を見たのはいつだったのか思い出せない、なんて詩人みたいなことを言うのは恥ずかしいですが、改めて、現代は何かおかしい、と考えさせてくれる映画だったと思います。

 

より一層強くなった新海ワールドを楽しみに、劇場へ!

以上、前編後編と長きに渡ってしまいましたが、新海誠監督の最新作「天気の子」について書かせていただきました!

今年の夏は見所の多い映画がたくさんありますが、ぜひ本作も見てみてください、きっと色々と考える機会になるはずです!

 

ご精読ありがとうございました。